<質問>
46ページ本文6行目に 「1,i,−1,−i,は4乗すれば1になる『1の4乗根』である」と ありますが,では,「−1の4乗根」は何になるのですか? 同様に8乗根,16乗根も複素数で表現できるのですか?

新潟県三条市,N.Y.さん
11月1日質問受付
<回答>
 まず,「−1の4乗根」を考えましょう。実数の範囲で考えると,どんな正の数を何度かけあわせても正の数のままなので,正の数は4乗根にはなりません。また,どんな負の数も4乗すると正の数になり,負の数もやはり4乗根にはなりません。もちろん0の4乗は0なので,−1の4乗根にはなりません。したがって,実数の範囲には−1の4乗根が存在しないことがわかります。
 ところが,複素数の範囲にまで広げれば,−1の4乗根がみつかります。「−1の4乗根」とは「4乗して−1になる数」のことですので,4次方程式「x^4=−1」の解を求めればよいことになります。そして,複素数の範囲であれば,この方程式は解をもちます。
 その解を求めるには,複素平面を使う方法がたいへん役立ちます。複素平面上では,「−1」をあらわす点は,「1」を180度回転させた位置にあります。つまり,「4乗して−1になる数」を求めるには,複素平面の中で,「4回行うと180度回転になるような回転の角度」がわかればよいのです。
 たとえば,180度を4で割ると,45度なので,45度回転を4回行えば180度回転,つまり−1倍になることがわかります。1を45度回転すると,cos45°+isin45°=(√2)/2+i(√2)/2となるので,(√2)/2+i(√2)/2が−1の4乗根の一つ,ということがわかります。
 実際,(√2)/2+i(√2)/2を2乗すると,{(√2)/2+i(√2)/2}{(√2)/2+i(√2)/2}=(1/2−1/2)+(i/2+i/2)=i,それをもう一度2乗した数(つまり元の(√2)/2+i(√2)/2を4乗した数)は−1となります。
 さて,「4回行うと180度回転になるような回転の角度」は,45度だけではありません。45度のほかに,135度,225度,315度(あるいはこれらの数に360度を何回でも足し引きした角度)の四つも,4回行えば180度回転になります。これらの角度に対応する四つの複素数はすべて−1の4乗根であり,以下のように書きあらわせます。
 cos45°+i sin45°= (√2)/2+i(√2)/2
 cos135°+i sin135°= −(√2)/2+i(√2)/2
 cos225°+i sin225°= −(√2)/2−i(√2)/2
 cos315°+i sin315°= (√2)/2−i(√2)/2
 これらの数を4乗すれば−1になることを,ぜひ自分の手で確かめてみてください。
 同じ考え方で,「−1の8乗根」は「8回行うと180度回転になるような回転の角度」がわかれば求まります(たとえば22.5度)。また「−1の16乗根」は「16回行うと180度回転になるような回転の角度」がわかれば求まります(たとえば11.25度)。ここにはすべての答を記しませんが,ぜひこれらの計算にも挑戦してみてください。
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