<質問>
僕は今ちょうど学校の数学の授業で「複素数」について習っています。授業で先生が「虚数の大小を比較することはできない」と説明してくださったのを思い出し、疑問がわきました。本誌33ページの図で「虚数の数直線」が紹介されていましたが、実数の数直線では常に右にある数ほど大きくなっていて、容易に大小の比較ができますよね。では、虚数の数直線では数直線の上にある数ほど大きいとはいえるのでしょうか?

富山県南砺市,N.M.さん
11月1日質問受付
<回答>
東にゴールがあるとき,「東に向かって1歩進む」のと,「東に向かって−1歩進む(=西に向かって1歩進む)」のとでは,どちらが有利でしょうか? 当然,前者のほうが有利に決まっています。こう考えれば,「+1のほうが−1よりも大きい」と決めることができます。
  それでは,東にゴールがあるとき,「東に向かってi歩進む(=北に向かって1歩進む)」のと,「東に向かって−i歩進む(=南に向かって1歩進む)」のとでは,どちらが有利でしょうか? どちらが有利とも不利ともいえず,くらべようがありません。こう考えると,「iと−iの大小を決めることはできない」ということがわかります。このように,虚数軸の上にある数,すなわち虚数は,その大小を区別することができないのです。
  実は,すべての複素数の間でなりたつような,一般的な大小関係を定めることは不可能であることが証明されています。状況によっては,複素平面の原点からの距離(絶対値)の大きさや,実数部分(あるいは虚数部分)の大きさを比較する場合もありますが,それは一般的な大小関係とはいえないのです。
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